覚めない微熱だけ、もてあましながら


まことがじっと見ていた。その綺麗な顔に見とれ、愛子は自分の口が半開きになったことも気づかなかった。

……!!!

思わず、すきをつかれパスタを口に入れられた。

「うぅ~っ!!」

愛子は両手を口にあてがう。

「かっら~い!!」

水をゴクゴク飲んだ。

「ちょっと大丈夫? だから無理しないでって言ったのに」

みかが呆れる。

「無理したもん!」

愛子の目から、あまりの辛さに涙が出てきた。

「はい」

……?

まことが上着のポケットからハンカチを出し、愛子の目の前に差し出した。

「……ありがとう」

「まったく……しょうがないなぁ。二人とも子供みたい」

と、みか。

「でも、でもぉ……まこと君は優しいよねぇ~」

麻里がツラッとして言う。すべては麻里が仕組んだ罠だ。愛子とまことの距離を縮めるために。

まことで三人目――



これで、最終章。



今回は、ちょっと強引かな? と思ったけど、愛子もまんざらではなさそうだし……まぁ、良しとしよう。
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