覚めない微熱だけ、もてあましながら
また思い出してしまった。

どうする? 私。

ソファの上に体育座りをし、立てた膝の上にアゴを乗せ考えていた。告白してくれるのは嬉しいけど、でもやっぱりああいうタイプの男は私には無理だ。断ろう。

断らなきゃ……

思い立ったら即行動、愛子は裕也に断りのメールを打った。

“あのー、あれから色々考えたんですけどー、私やっぱりつきあうのとか無理です。すみません”

送信する前に読み返してみるが、何か変な文章だ。

書き直すために全部消した。

何て書いたらいいだろう……。文章能力の無さに、改めてへこんだ。

しばらく考えるも思い浮かばず、先ほどとほぼ同じ文章をもう一度打った。



送信――



裕也の告白を受け入れたい気持ちと、断りたい気持ち。両方あったけど……。

“夏野さんは私のこと、からかってるんですか?”

といきなりこんなメールを送った。何も考えていなくて、思ったことをそのまま送った。

裕也のことは好きなのかも知れないけど、真実かどうかはわからない。
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