覚めない微熱だけ、もてあましながら
お湯が沸き、一人のOLがマグカップにお湯を注ぐ。コーヒーのいい香りが、あっという間に狭い場所を包み込んだ。二人は砂糖もミルクも入れずにブラックで飲む。
『おいしいね』の一言もないまま同じ内容の会話が続いていた。
「何か、楽しそうだね。何の話?」
と匂いを嗅ぎつけて麻里がやって来た。
おもしろそうな話の内容とコーヒーの香り。両方の匂いだ。
「営業の中村君と総務の安田さんが付き合ってるって話」
一人が面倒くさそうに言った。するともう一人が、
「ねぇ、麻里は社内恋愛って微妙だと思う? 別れたあととか色々さぁ」
「ん~……、って言うか、ここの会社の男とは付き合いたくないなー。だってイイ男いないじゃぁ~ん。だから、社内恋愛うんぬんとか以前の話」
「言うよね~!」
10分間の小休憩もそろそろ終わりマグカップを持って一人が一言そう言って戻っていった。
「ん~…、彼も微妙だな~。ルックス的には、可もなし不可もなし、ってとこかしら~?」
『おいしいね』の一言もないまま同じ内容の会話が続いていた。
「何か、楽しそうだね。何の話?」
と匂いを嗅ぎつけて麻里がやって来た。
おもしろそうな話の内容とコーヒーの香り。両方の匂いだ。
「営業の中村君と総務の安田さんが付き合ってるって話」
一人が面倒くさそうに言った。するともう一人が、
「ねぇ、麻里は社内恋愛って微妙だと思う? 別れたあととか色々さぁ」
「ん~……、って言うか、ここの会社の男とは付き合いたくないなー。だってイイ男いないじゃぁ~ん。だから、社内恋愛うんぬんとか以前の話」
「言うよね~!」
10分間の小休憩もそろそろ終わりマグカップを持って一人が一言そう言って戻っていった。
「ん~…、彼も微妙だな~。ルックス的には、可もなし不可もなし、ってとこかしら~?」