覚めない微熱だけ、もてあましながら
「もしかして、当たり?」

「何でわかった?」

「すぐ顔に出るんだもん」

「ヤベ……」

「デートの内容、当ててみようかな~」

「それは無理だろ。当たらないよ、100パー無理」

自信満々に言い放つ裕也は、20センチも背が低い麻里を横目で見下ろした。

「もし当たったら……」

「もし当たったら、何?」

「私とデートして」

「は?」

「あ、いや~……冗談なんだけどね」

……。

「そんなことより昨日の夏野君のデートは~……、ドライブ?」

「マジ……」

「えぇ! ドライブ、マジ? えっと、深夜のドライブ? どこまで行ったかはわかんないけど、そこまではわかんないけど……」

「横浜だよ」

裕也は興奮状態の麻里に水を差すようにボソッと言った。

「へぇ~そうなんだ! もしかして相手は愛子?」

「そうだけど……」

「あ、何か唐突すぎちゃった……」

「いいよ、別に」

……。

「深夜のドライブ、どうだった?」

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