覚めない微熱だけ、もてあましながら
きっと楽しいに違いない……と。

麻里は、ずっとこの日が来るのを待っていた。思いついたのは確か月曜日……。今日は土曜日だから、五日間が過ぎた。こんなにスローペースに感じる五日間ははじめてだった。特に、会社にいる時の拘束時間が拷問のように思えるほど。


「椅子、いらないかな……」


食卓テーブルのみにして椅子は部屋の片隅に追いやった。


「立食っぽい感じ?」


お酒にお料理、取り皿、お箸……。

あとは……

夜だから、キャンドルで演出してみようか。

食卓テーブルの上に様々な色のキャンドルを置いた。

赤と、オレンジと、水色と……。


「だいたいこんな感じかな……」


麻里は色々な角度から、部屋のど真ん中にある食卓テーブル……すなわちメインになる一部分を眺めた。


「オッケーだな……」


シュボッ……


麻里は、ソファに座り煙草に火をつけた。

ふぅ〜……
< 14 / 147 >

この作品をシェア

pagetop