覚めない微熱だけ、もてあましながら
「男も、女の子のギャップには弱いよ」

「例えば?」

「例えば……、超派手なギャルが、料理が得意だったり。あ、和食限定ね。あと、着物の着付けができたり」

「へぇ~」

麻里は、まともな会話よりも、裕也の胸から上をじっと見ていた。ちょっとした仕草がセクシーでたまらない。

「何?」

「え? いや、別に……。あ~、今日はありがとう。また明日、会社で」

「了解。寝坊すんなよ」

「う、うん……」

見覚えのある場所に着き、麻里は車を降りた。

そして車が少し走って右折したのを見届け、マンションへ入っていった。





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