覚めない微熱だけ、もてあましながら
みかがドアを開け、入って、と言って肩に手を置いた。玄関は、さほど広くはない。メンズの、ブランド物の白いスニーカーが目に入った。これは、まことの物だ。ドキリとしながら靴を脱いだ。
玄関のすぐ左隣のドアを、みかが開けた。リビングだった。中は陽当たりがよく、十畳くらいの広さだ。レトロな感じの木製のテーブルを白いソファが囲む。テレビは何インチなのかわからないくらい大きい。窓際には色々な観葉植物が並ぶ。緑の多いリビングは素敵だが、名前は知らない。
無意識にキョロキョロしてしまう。素敵な家だな、という思いと、玄関にメンズのスニーカーがあったから、もしかして……という期待と。むろん、後者が八割を占めていたが。
「座りなよ」
みかが後ろから突然声をかけてくる。驚いて振り返ると、みかが、
「コーヒーとココア、どっちがいい?」
「じゃ、ココアで……」
玄関のすぐ左隣のドアを、みかが開けた。リビングだった。中は陽当たりがよく、十畳くらいの広さだ。レトロな感じの木製のテーブルを白いソファが囲む。テレビは何インチなのかわからないくらい大きい。窓際には色々な観葉植物が並ぶ。緑の多いリビングは素敵だが、名前は知らない。
無意識にキョロキョロしてしまう。素敵な家だな、という思いと、玄関にメンズのスニーカーがあったから、もしかして……という期待と。むろん、後者が八割を占めていたが。
「座りなよ」
みかが後ろから突然声をかけてくる。驚いて振り返ると、みかが、
「コーヒーとココア、どっちがいい?」
「じゃ、ココアで……」