覚めない微熱だけ、もてあましながら
大きく煙を吐く。一仕事終えたあとの一服は最高だった。休みなのに早起きして、何時間もかけて準備したから疲れたけど何だか心地よい疲れだった。予定では夜七時に集まることになっていた。

まだ三時間あるな……

麻里は煙草を潰し、そのままソファに身を沈めて眠りに落ちていった。




………………




麻里の前には、三人の男が立っている。麻里の向かって右側にはラフな格好をした男、左側にはスーツを着た男、そして、真ん中の男は……白いシャツに黒いズボンの男……。

三人共、麻里のことが好きだと言っている。

三人の男――

それぞれ三人の男の右手の薬指には、シルバーリングが光っていた。すべて同じデザインのものだ。

服装ははっきりしているのに、首から上……顔はよくわからない。ボヤ~っとして見える。

まわりには何もなく、見渡す限り〈白〉がひろがっていた。すると、


「麻里、おいで」
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