覚めない微熱だけ、もてあましながら
男達の後ろ姿は段々と小さくなり、煙の中へ消えていった。


ちょっと待ってー!


再び立ち上がり、思いきりダッシュしたその時、


ドカッ!


麻里はどこかに落ちたような気がした

……?

ふと気がつくと自分の家だ。あたりを見渡すも、毎日見てる光景で、すべて自分の物ばかり。

……何?

麻里自身は床に座り込んでいた。ソファに寝ていたはずなのに……。

もしかして、

夢!?

男達を追いかけようとして、どこかに落ちたのは……寝ていたソファから落ちたってこと?


ピンポーン! ピンポーン!


チャイムが鳴る。


「ちょっと麻里! 何やってんのー?」

ヤバッ!

麻里は慌てて玄関を開けた。
そこに立っていたのは、那奈子と那奈子の知り合いの斉藤明(あき)だった。


「ちょっと何回チャイム鳴らしたと思ってんのよー。何回麻里ー麻里ーって叫んだと思ってんの?」
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