覚めない微熱だけ、もてあましながら
「いつものこと。私、知らない人がたくさんいるところって苦手だから……。ハハハッ……だったら来るなって話だよね」


二人の様子を、麻里は見ていた。

楽しそうに話す愛子。じっと愛子を見ている裕也。はたから見るとカップルに見える。


「二人とも寒くないのか?」

「ちょっと寒くなってきたかな」


そう言った愛子に明は自分のパーカーをかけた。

麻里は一秒も目をはなさずに三人を監視していた。


「そろそろ中入ろうぜ」


裕也と愛子は、明に促され部屋に戻った。やはり部屋は暖かくて、酔いが日頃の疲れを手伝ってか愛子は睡魔に襲われた。


「私、そろそろ帰るね」

「えーっ! 愛子〜もうダウン?」


みかが叫ぶ。


「うん……明日、仕事だし」

「そっかぁ……じゃあ仕方ないよね。あ、まこと! 愛子送ってあげて」


麻里は瞬時みかを睨んだ。


「わかった。送っていく」
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