覚めない微熱だけ、もてあましながら
はぁ〜……。

自分の席に着いてもボーッとしてしまう。仕事……やる気が出ない。月曜日だから忙しいのはわかってるのに頭も体も働かない。

周りは、パソコンから目をはなさない人、電話で何時間もクレーム処理に追われてる人、何度も何度もデスクとファックスを行き来する要領の悪い人……。

麻里の周りには色々な先輩、後輩、同僚がいる。

はぁ~……。

“みんなはなんであんなに機敏に動けるんだろ……。月曜日なのに……”

麻里は制服のスカートのポケットにスマホをしのばせ、化粧室へ。

誰もいない。

ふわぁ~……!

思いきり両手を上に、伸びをした。

別に用を足すためにここへ来たわけではない。ここへ来た理由は、睡魔から逃れるため、それと解放感を感じたかったため……。

そしてスマホのアドレス帳を開き三人の名前を検索する。

斉藤明(あき)――


夏野裕也――


平田まこと――
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