覚めない微熱だけ、もてあましながら
思い切ってドア開けたが部長はいなかった。周りを見渡すと、普段とかわらない風景で独楽鼠のようにみんな働いていた。ホワイトボードに書かれている予定表を見ると、部長は “11時〜会議、本部。戻り未定” となっていた。
「そっか……」
麻里はホッとして自分の席につき、しばし天井を見ていた。そして、パソコンの画面に集中し、時間を忘れるくらい仕事に没頭した。コンタクトが乾くことも忘れるくらい、集中した。
何事も、なかったかのように……。
………………
午後六時ーー
麻里はすぐさま更衣室へダッシュした。今日は一秒も許さない。誰よりも早く着替え、誰よりも早く自社ビルを出た。洋服、靴、ドラッグストア、本屋……。いつもは必ずどこかへ寄り道をするが今日だけはまっすぐ帰る。
今日は、やらなければいけないことがあるから。
帰りの電車の中で吊革につかまりながら、麻里はスマホいじりをする。
「そっか……」
麻里はホッとして自分の席につき、しばし天井を見ていた。そして、パソコンの画面に集中し、時間を忘れるくらい仕事に没頭した。コンタクトが乾くことも忘れるくらい、集中した。
何事も、なかったかのように……。
………………
午後六時ーー
麻里はすぐさま更衣室へダッシュした。今日は一秒も許さない。誰よりも早く着替え、誰よりも早く自社ビルを出た。洋服、靴、ドラッグストア、本屋……。いつもは必ずどこかへ寄り道をするが今日だけはまっすぐ帰る。
今日は、やらなければいけないことがあるから。
帰りの電車の中で吊革につかまりながら、麻里はスマホいじりをする。