覚めない微熱だけ、もてあましながら
“明君が私のことを!? 本当に!? なんかビックリしたよ〜。ドキドキする!”


という内容だった。

ふん……真に受けちゃって……。

麻里はズルい笑みを浮かべながら、冷蔵庫からビールを出し缶を開けた。ビールを飲み、くわえ煙草で愛子に返事を打つ。


“明君と直接やり取りしてみて。明君が、愛子のアドレス知りたがってたから教えちゃった。勝手に教えてごめんね。許してね……。近いうちに明君からメール来ると思うから!”


そう返事をし、スマホを閉じた。そして今日は、これ以上二人にはメールを打たなかった。

一人目のターゲットは、

〈斉藤明〉


罠を仕掛けたのは、

由比麻里ーー


罠を仕掛けられたのは、

中谷愛子ーー
< 41 / 147 >

この作品をシェア

pagetop