覚めない微熱だけ、もてあましながら
土曜日の今日は仕事が休みだ。愛子に電話しようと思ったが、シフト制で働いている愛子は今日は休みではないと思い、電話をやめメールにした。

“こないだ、ホームパーティに来てた夏野裕也君、覚えてる? 近いうちにみんなで会おうと思ってるんだけど、愛子も来るよね?”

送信ボタンを押す。

マグカップから黙々とあがっている湯気を見つめ、麻里はズルそうな笑みを浮かべた。

“絶対に次も成功する。いや、成功してくれなきゃ困るのよ”

熱いコーヒーを一口飲み、裕也にも連絡をする。

正直、メールは面倒くさかった。返事を待つのも疲れる。……と言うより返事を待っている間のドキドキ感はスリルがいっぱいだが逆にイライラしてくる。以前の、斉藤明の時がそうだったから。そう思い裕也には電話をすることにした。今日は休みだから大丈夫だろう。

アドレス帳から検索する。

〈夏野裕也〉

ボタンを押した。すぐに呼び出し音が鳴ると急に緊張してきた。



プルルルッ……



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