覚めない微熱だけ、もてあましながら
「愛子、何やってるの?」
「あれぇ? 箸の使い方、忘れちゃったかもぉ」
「もう……。酔っ払ってんの?」
「全然大丈夫!」
愛子は、いつもと喋り方が違っていた。
鳥の唐揚げを何度も落としている。何だか、子供がふざけて遊んでいるように見えた。諦めようともしない。
「しょうがないな……。はい」
裕也が軽々と鳥の唐揚げをつかんで愛子の取り皿に置いた。
「あ……ありがとう」
“えーっ! 何これ! 何かいい感じじゃない?
そう思った麻里は作戦に出た。
「あ、ちょっとトイレ行ってくるね」
「うん! 行ってらっしゃ~い!」
ハイになっている愛子は麻里に手なんか振っている。
麻里はトイレに駆け込み、大きく息をついた。
“しばらくの間は二人きりにさせておこう”
そう思い、呑気に化粧直しをはじめた。
………………
10分……いや15分が過ぎた。麻里が席に戻ってくる気配がない。
「遅いな……麻里」
「あれぇ? 箸の使い方、忘れちゃったかもぉ」
「もう……。酔っ払ってんの?」
「全然大丈夫!」
愛子は、いつもと喋り方が違っていた。
鳥の唐揚げを何度も落としている。何だか、子供がふざけて遊んでいるように見えた。諦めようともしない。
「しょうがないな……。はい」
裕也が軽々と鳥の唐揚げをつかんで愛子の取り皿に置いた。
「あ……ありがとう」
“えーっ! 何これ! 何かいい感じじゃない?
そう思った麻里は作戦に出た。
「あ、ちょっとトイレ行ってくるね」
「うん! 行ってらっしゃ~い!」
ハイになっている愛子は麻里に手なんか振っている。
麻里はトイレに駆け込み、大きく息をついた。
“しばらくの間は二人きりにさせておこう”
そう思い、呑気に化粧直しをはじめた。
………………
10分……いや15分が過ぎた。麻里が席に戻ってくる気配がない。
「遅いな……麻里」