覚めない微熱だけ、もてあましながら


電話をかけてきて、言いたいことを言って一方的に切る人って……。

そう思ったが、そんな自己中心的な麻里は昔からかわっていないと思い、開き直った。

それより愛子も来るから一度連絡しておこう……。

いや、まことが先か。

もう! どっちでもいいから! みかはアドレス帳で検索し先に名前が出てきた愛子から連絡した。

“愛子~。元気してた~? さっき麻里から聞いたんだけど……まことの店に行きたいって本当に~?”

送信したあと、まことにもすぐメールを打った。

まことからの返事は早かった。そして、簡単なものだった。

“了解。明日出勤だから明日でもいいよ”

「明日かぁ……」

みかは、明日にしようという内容のメールを麻里と愛子に送った。愛子からは返事が来ていないのに送ってしまった。返事が待てなかったから……。



愛子に二通目のメールを送ってすぐに返事が来た。

“あれ? 私、麻里に、まこと君の店に行きたいって言ったかな……? 言った記憶はないんだけど……”
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