覚めない微熱だけ、もてあましながら
「うん!」
ややしばらくして、みかは電話を切った。
切れたのを確認してから麻里も電話を切る。
“はぁ~……危ないなぁ……もう”
一気に疲れが押し寄せ、全身の力が抜け、ぐったりだ。落ち着いたところで何だか怒りがこみ上げてきた。
“みか~! 何で愛子に連絡するのよ~! もう! 余計なことしないでよ!”
音のない静かな部屋で、煙草に火をつけた。そして、自分の言動に、ふと我にかえった。
〈嘘つき〉な自分に――
“愛子……明日のこと聞いてどう思ったんだろう”
少しは気になったが、愛子には何のフォローも入れず静かに〈明日〉を待った。