覚めない微熱だけ、もてあましながら

年配の独身の女子社員だった。


「すみませんでしたー」

「なんなのその態度。謝るんならちゃんと謝りなさい！」

「はーい」


入社一年目のギャル系の新入社員は面倒くさそうに返す。茶色い長い髪を指でクルクル巻いている。もう一人の新入社員も、年配の独身女子社員のことなんかどうでもいいといった感じであくびなんかしている。爆発寸前の年配の独身女子社員。二人の新入社員を交互に睨み付け、何か言いたげな口元が小刻みに震えている。

しかし我慢してそれ以上何も言わず自分の席についた。

椅子にドカッと座り、パソコンのキーボードを乱暴に叩く。


「はぁ！」


わざとらしい大きい声の溜め息は注目の的となった。


“怖っ！！”

“40過ぎて、独身だしな。……更年期じゃねぇの？”

“若い女が羨ましいんだよ。ピチピチお肌がさ～”

クククッ……

ハハハッ……