覚めない微熱だけ、もてあましながら
愛子は慌てて言った。何か言わないと……と思い、出た言葉だった。
「あぁ~お腹空いた。早くピザ来ないかな~」
みかはソファに寄りかかり天井を見上げる。上半身はズレ落ち、背もたれの部分に頭がある状態だ。
ややしばらくして、
「だらしないよ、姉貴」
ボケーッとしていたみかは聞き覚えのある声にハッとする。
「あ~、どうしたの?」
「一段落ついた」
「ふ~ん」
みかは素っ気なく言い、体勢を元に戻した。
「ねぇ、ここ座っていいの?」
まことは愛子の隣のソファを見た。
「いいよ。あ……そうだ、まこと。友達連れてきたよ、麻里と愛子」
「ホームパーティの時は、だらしないところを見せちゃって……何か、今となってはすごい恥ずかしい……」
「ん? 麻里、何か恥ずかしいことしたっけ?」
「ほら、酔っ払って周りに絡んだりとか、グラス倒したりとか……」
「あぁ~! はいはい。あったねあったねぇ、そんなこと」