世界で一番甘いもの。【短】
彰とあたしは同じ大学の二年生で、高2のときから付き合っている。
4年目ともなれば、お互いのことは大概わかってるし、知ってる。
彰は面倒くさがりでマイペース。
いつもポーカーフェイスで長く付き合ってきたあたしでさえ、たまに読めない。
そして、そんな外見に似合わず大の甘党。
そんな彰だからか、あたしたちのデートと言えばお家デートが主流になっている。
あたしも元々社交的なタイプじゃないから、一緒に居られればいいって感じで特に不満はない。
今日もそんな感じで彰の家に来たけれど彰は眠ってしまった。
膝に目を向ければ、規則正しく寝息をたてる彰。
綺麗な蜂蜜色の髪の毛に指を通す。
いつも通り、サラサラで羨ましい。
髪だけではない、彰は憎らしいくらい顔も整っている。
えいっ
あんまり綺麗で悔しくて、あたしは軽く彰の鼻をつまんでやった。
『…んん…。』
すると、眉間を寄せ、軽く身動く彰にあたしは慌てて手を放した。
…危ない危ない…。