世界で一番甘いもの。【短】
…世界で一番甘いもの?
「そんなの持ってるの?」
嘘でしょう?
そう訊ねてみても彰は余裕そうな表情をみせるだけ。
「甘党の彰が言うぐらいだから、相当?」
『あぁ、俺、だいすき。』
ニカッと珍しく子供みたいな笑顔をみせた彰にクラクラした。
そして、グイッと引き寄せられ
「んんっ!」
唇に感じる温もり。
頭を押さえられているから身動きできず、あたしはただされるがままに唇を重ねた。
「ん、ぷぁっ…!」
解放されたころには頭まですっかりとろけさされていて。
生理的な涙で歪んだ視界の先では、彰が笑っていた。