秘密、だよ。
目を覚ましたとき、僕は病院の
ベッドの上にいた。
『…お気づきですか?』
優しいナースの顔を見て、
僕は生きているのだと実感した。
病院での生活は、1ヵ月ほどだった。
入院中に何度も警察が訪れた。
退院後も、事情聴取をされたり
いろいろと忙しかった。
結局、僕は警察に何もバレることなく、
刑務所に入れられることもなかった。
やはり、僕は完璧だった。
優奈が持っていた全ての秘密と、
僕が持つ全ての秘密は、その時から
決して見破られることはなかった。