秘密、だよ。


俺は一瞬寒気を感じたが、
それは雨に濡れたからだ
と思い、気を取り直して、
車に乗ってエンジンをかけた。


ふと顔を上げると、
何かが車の前を横切った。

何だ、と思いながらも
車を発信させようとした時、
助手席側のドアが開いた。


俺はビクッとしながら
その正体を見て、さらに
驚いた。


そこには、望月が濡れた
ままで突っ立っていた。

「先生?私と今から
イイコトしません?」

俺が黙って見ていると、
いきなりそんな事を
言い出す望月。


俺は内心、
バカじゃないか、こいつ
と思ったが、その言葉に対する
普通の対応をすることにした。


「俺は教師で、お前は生徒。
バカなこと言ってないで
風邪引く前に帰りなさい。」
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