秘密、だよ。


『…そうね。』


優奈が口を開いた。


『知られてしまったなら、
最後まで話さないと。』


いつもより冷たい口調。
優しい優奈は、もうそこには
いなかった。

優奈の話は1時間ほど続いた。

話の内容を簡潔に言えば、
彼女は人殺しだということだった。
そして、次のターゲットは

この僕の友人と
僕が時々会っていた浮気相手。


この時点で僕が気弱な人間なら、
確実に逃げ出していただろう。
そして、彼女を殺すことは
なかっただろう。

しかし、僕はそんな人間ではなく、
スリルがあるほど興奮してしまう
変な奴だった。

今ではさすがに懲りて
変な行動はしないが。


『で?最後には僕を殺して
君は警察に捕まっちゃうの?』


僕はわざと優奈を挑発するように
言葉を選んで言った。


『捕まりはしないわ。』


彼女はそう言い、ニヤリと
不気味な笑みを僕に向けた。

僕はその瞬間思い出したんだ。
優奈が普段は優しくても
SEXのときは不思議な行動を
するようになったこと。

はじめはSな子なんだな、と
意外なところを知り少し嬉しく
なったりしていたが、その頃には
何かがおかしいと思っていた。
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