秘密、だよ。
『追い詰めて、追い詰めて。
殺してやるつもりだった。』
優奈はそう一言いったあと、
ソファーから立ち、僕の隣へ
腰をおろした。
『でも、ばれちゃったなら。』
優奈は妖しい手つきで僕の首をなぞり、
僕の耳元に唇をそっと寄せた。
『殺してあげる。』
僕は、その瞬間ゾクゾクしたんだ。
普通の人間なら、逃げ出すか
怒り出して拒否するだろう。
でも僕は違ったんだ。
世界がどうでもよかった、
あの時の僕には死は唯一の
逃げ道になっていた。
だから、僕は逃げなかった。
『殺せばいい。』
そう言って優奈を押し倒した。
『ふ〜ん。おもしろくない男。』
そんな奴殺しても楽しくない。
優奈は確かにそう言っていた。
だけど、僕はせっかく訪れた
逃げ出すチャンスを逃すのは
絶対に避けたかった。
『…。』
僕はそのまま優奈に覆い被さり
無理矢理、行為をすすめた。
優奈は終始ニヤニヤしていた。
それが更に僕を興奮させた。