秘密、だよ。
『これ、で…さぃご。』
優奈はケタケタ狂喜の表情を浮かべ
最後に首を切り、自殺した。
『優奈。』
俺は冷たい声で死体に呼びかけた。
『どういうことだ。』
俺を殺せば最後じゃなかったのか?
何故、何故オレを殺さない。
オレ、俺の計算が間違っていたのか?
俺を殺さなければ、お前は。
俺は混乱と怒りで優奈の死体を見下ろした。
そして、気付いたんだ。
優奈が握っている包丁の柄には
俺のハンカチが巻かれていた。
優奈…。
俺は、咄嗟に包丁を持って
玄関から出ようとした。
しかし、今ここを出れば
俺は捕まってしまう。
俺の人生はむちゃくちゃ…、
そうか。
こいつは俺を犯罪者に仕立て上げる
ためにこんな事を…。