秘密、だよ。


何のためかはわからない。
だか、俺を貶めようとして
いるのだけは、確実だ。

人を、愛すべき人を
亡くしたというのに俺は、
やはり自分のことばかり。


『…させるかよ。』


俺はそう呟き優奈の首から
包丁を抜き取り、優奈の手を
握りしめたまま自分の体に
無数の傷をつけた。

そして、救急車を呼んだあとで
致命傷にならない場所を選んで
自分の、腹を刺した。


『ぐっ…う゛ぅ…!!!』


そして、意識が無くならないうちに
優奈の首元に包丁をおき、
その隣に倒れ込んだ。
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