わたしへ
あのころの私へ
   そこには、私がいた。
  私がわたしを上からみていた…



「えっ。彼氏ってなに。?男子のどこがいいの?」

 っと、友達のあいに問いかけた。
彼氏のいるあいは、
「中学にもなって、彼氏もいないんじゃ、あれじゃん。」


あれってなんだよ。なにをしたいんだ。と、私はつぶやいた


私にだって、すきな人の一人や二人はいるよ。


テニス部のカオルくん。漢字わかんない。今度しらべとこぉーと。

時々、見ていたテニス部の中にカオルくんがいた。


あぁーいいな〜と思ったくらいの軽い気持ちだった。でも、そんな気持ちでいいんだよね。

人をすきになることって。だって生きることだってそう、どうでもいい。


私が、この気うすな気持ちになっているのは、一週間前に犬のラブが死んだこと。


悲しかった。11年間一緒にいてラブはいつも、私が家に帰ってくると、叫んで迎えてくれた。

 散歩の時だって私をいつもひきずってくれた。

私が落ち込んでる時だって、あの水色ビー玉みたいな目で私を見つめてくれた。


その3日後、ラブの飼い主であった祖父も亡くなった。

とても、いいおじいちゃんだった。やさしすぎる。父や母は見習ってほしかった。

あの、白い頭や細い目にはどれだけの思いがつまっていたのかなぁ〜。


一週間の間の二人の死は私にとって、十分すぎるほどの気力を奪いとっていた。


1キロはやせたかな。やせた分は、ポッキーで補充しとこっと。

でも、先生に見つかり没収。あぁ〜誰か私をすきにして…


ゆいはそう思いながら、ぼーっと黒板をながめていた。


それを見ていた、男子がいた。


3秒だけみつめて、友達との下ネタの話題に戻った男だ。



それはもう1人の私だった。
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