TWILIGHT SLIDER
華は信じられないと言うように、綾乃を見つめた。

「あなたの住所を調べて、私が送ったの」

綾乃は淡々と、悪びれる様子もないと言うように華に話した。

「ついでに言うとね、あなたが夕夜の家にいることを教えたのも私なの」

罪の意識なんて、微塵もない様子で綾乃が言った。

「――何で…何で、そんなことをしたんですか?」

かすれたような震えた声で、華が綾乃に聞いた。

「あなたが夕夜に近づいたからよ」

綾乃が言った。

「夕夜は私のものなのにあなたは夕夜に近づいた、だからよ」

刺すような目で、綾乃が自分を見つめてきた。

その視線に耐えることができなくて、華はうつむいた。

「今回みたいな目にあいたくなかったら、もう2度と夕夜に近づかないでちょうだい」
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