TWILIGHT SLIDER
「ねえ、一緒に食べよう?」

そう言った綾乃を、夕夜は視線をそらした。

「夕夜?」

「ごめん、今日のところは帰ってくれないか?」

そう言った夕夜に、綾乃は驚いて目を見開いた。

「どうしたの?

夕夜、具合悪いの?

先生を呼んでこようか?」

それでも夕夜は綾乃を見ようとしなかった。

自分を見ようとしてくれない彼に、綾乃は不安を覚えた。

「体調は大丈夫だ。

ただ、1人になりたい」

そう言った夕夜に、
「わかった、今日は帰るよ。

明日もくるからね」

綾乃は病室のドアノブに手をかけた。

ドアノブを回そうとした手を止めると、
「あ、そうだ」

思い出したように言った綾乃に、夕夜は視線を向けた。

「――大村さんって、話のわかる人なのね」
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