TWILIGHT SLIDER

├離れる行為

それから1週間後のことである。

「退院おめでとう」

「…たったそれだけですか?」

あまりにも素っ気ない亮一に、夕夜はため息を隠せなかった。

「他に何かないの?」

そう言った夕夜に、
「留守番じゃないんだから」

亮一は呆れたと言うように言い返した。

退院報告の意味を込めて、夕夜は亮一のいるサークルの部屋にやってきた。

「しかし、お前もよく躰を張ったもんだな」

亮一が言った。

「大村さんを守るって言った以上、それくらいはね」

「そうか」

2人で笑いあっていたら、部室のドアが開いた。

入ってきたのは華だった。

「あ、大村さん」

夕夜が呼んだ瞬間、華は悲しそうな顔をした。

「お見舞い…」

夕夜の言葉をさえぎるように、華は部室のドアを閉めた。
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