TWILIGHT SLIDER
翌日。

講義に急ぐ夕夜の前を、見覚えのある後ろ姿が視界に入った。

「大村さん!」

夕夜はその後ろ姿に声をかけると、華が振り返った。

自分を見つめている華の顔は、何故か悲しそうだった

「よかった…」

夕夜はホッとして、胸をなで下ろした。

彼女に無視をされたらどうしようかと思っていた。

「昨日は、大丈夫だった?」

夕夜の問いに、華が首を縦に振ってうなずいた。

「八神さん、帰ってきてた?」

続けて聞いた質問にも、華は首を横に振って答えた。

「そっか、まだ警察か」

そう言った夕夜に、華は首を縦に振ってうなずいた。

口を開いて答えようとしない華に、夕夜は拒絶されたようなものを感じた。

「大村さん、何かあった?」
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