TWILIGHT SLIDER

├訪れた失恋

サークル活動が終わると、夕夜は亮一に声かけた。

「あのさ、聞きたいことがあるんだけど」

「何を?」

「…大村さんのことについて、少し」

「大村ちゃんがどうしたの?」

大村ちゃん――亮一は彼女のことをそんな風に呼んでいるようだ。

「後輩、なんだろ?」

そう聞いた夕夜に、
「そうだけど、何だ?

お前、大村ちゃんに気があるのか?」

いきなり亮一に的を当てられた夕夜は戸惑った。

「ち、違うに決まってるだろ!」

驚きのあまり、声がうわずってしまった。

今ので、自分の気持ちが彼にわかってしまったかも知れない。

「そうだよなー、ユウは三宅一筋だもんな」

亮一が笑いながら言った。

複雑な気持ちになったが、気持ちが伝わらなかったことにホッと胸をなで下ろした。

「けどさ…例えユウがフリーだったとしても、大村ちゃんは無理だよ?」

さっきまでの笑顔がウソだと言うように、亮一は真剣な表情になった。
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