TWILIGHT SLIDER
「私は別れたくない!

夕夜と終わらせたくない!」

「もういい加減にしてくれよ!」

吐き捨てるように、夕夜が声を荒げて怒鳴った。

「もうこれ以上、華を傷つけたくないんだよ!

華が傷つくところなんかもう見たくないんだよ!」

「…えっ?」

夕夜が自分以外の女を名前で呼んだことに、綾乃はショックを隠せなかった。

「だから、もう別れてくれ」

そう言うと、夕夜は綾乃の前から立ち去った。

「待っ…」

彼を呼びとめようとした瞬間、頭の中がフラッシュバックを始めた。

何度も消していた記憶の破片がチラついて、映像となって流れようとする。

――お前のせいだ!

――お前なんか生まれてこなきゃよかったんだよ!
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