TWILIGHT SLIDER
一瞬、亮一の眉がピクリと動いたような気がした。

「ちゃんと話しあいたい」

そう言った綾乃に、
「わかった、今から行く」

夕夜は電話を切った。

「三宅からか?」

そう聞いてきた亮一に、
「うん」

夕夜は首を縦に振ってうなずいた。

「気をつけろよ」

亮一の言葉に、夕夜は首を傾げたがすぐに首を縦に振ってうなずいた。


その頃、華は図書館で読書をしていた。

机のうえに置いていた携帯電話が鳴ったので、華は手に取ると携帯電話を開いた。

夕夜からだった。

『一緒に帰ろう

裏庭で待ってる』

メールには、そう書いてあった。

華は携帯電話を閉じると、荷物をまとめた。

図書館を出て、裏庭へと走って足を向かわせた。

――何かあったら遠慮なく言っていいから

そう言った夕夜の声が聞こえた。
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