TWILIGHT SLIDER
待ちあわせ場所であるカフェテリアに行くと、綾乃はすでにきていた。

「綾乃」

夕夜の声に綾乃が振り返った。

「きてくれたんだ」

夕夜の姿を見た綾乃は微笑んだ。

「呼ばれたからくるに決まっているだろう。

それに、本当にお別れを言いたい」

そう言った夕夜に、綾乃の表情が曇った。

「やっぱり、こんな時でも大村さんが大事なんだ」

呟くように言った綾乃に、
「何よりも大事だよ」

夕夜は言った。

綾乃は悔しそうに顔をゆがめると、
「私のことはもう愛してないの?」
と、聞いた。

その質問に、夕夜は首を縦に振ってうなずいた。

「確かに、綾乃は素敵な人だった。

…異常なまでの束縛以外は」

そう言った夕夜に、綾乃が大きく目を見開いた。

「それは、夕夜を愛しているから…」

「無名の手紙を送ったり、八神さんに俺の住所を知らせることが?」

綾乃は動揺した。
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