TWILIGHT SLIDER
「――それは、夕夜を愛してたから…」

呟くようにそう言った綾乃に、
「だったらいらない」

夕夜は言った。

その言葉に驚いて、綾乃は夕夜の顔を見つめた。

「もういらない、綾乃の気持ちなんて欲しくない」

「――夕夜…」

「じゃ、もう行くね」

夕夜が背中を見せた時、
「――無駄よ…」

小さく呟く綾乃の声が聞こえたので、夕夜は振り返って綾乃を見た。

綾乃はにらみつけるように、夕夜を見つめていた。

「彼女なら、きっとボロボロにされているわ」

「えっ…?」

「私から離れようとする夕夜がいけないのよ」

夕夜は綾乃に背中を見せると、走り出した。

「夕夜!?」

綾乃は叫んで夕夜を呼んだ。
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