TWILIGHT SLIDER
「えっ…?」

その言葉に、夕夜の口からかすれた声がこぼれ落ちた。

亮一は言いにくそうに目を伏せると、
「あいつ、つきあってるヤツがいるんだ」
と、言った。

その瞬間、目の前が真っ暗になったような気がした。

「公務員の彼氏と、高2の頃からつきあってるんだって」

「――そう、なんだ…」

できる限り笑顔を作りながら、夕夜は返事をした。

いつから自分はこんな作り笑いを覚えてしまったのだろうと、夕夜は頭の片隅でそんなことを思った。

「だから、大村ちゃんは無理だよ」

夕夜の気持ちを知っているのか知らないのか、亮一が慰めるように言った。

「あー、そうだよね」

夕夜は言い返した。

「大村さんはかわいいから彼氏いるんだよね。

何となくだけど、わかってたよ」

彼に気持ちを知られないように、夕夜はできるだけ明るい声を出した。
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