TWILIGHT SLIDER
けど、心の中はショックと悲しみでいっぱいだった。

わかってはいたとは言え、胸が痛かった。

亮一の言う通り、華にはつきあっている人がいる。

頭の片隅では、どこかそのことに気づいていた。

だけど…いざ知ってしまうと、とても苦しかった。

つきあっている人がいたと言うショックはこんなにも大きいんだなと、夕夜は思った。

鼻の奥がツンと痛くなって、周りの景色が少しだけにじんで見えたような気がした。

本当は、大声をあげて泣きたい。

声が枯れるくらいに泣き叫んでしまえば、どんなに楽だろう?

だけど、今は泣くのを我慢した。

すぐ目の前に亮一がいるからと言うこともある。

華に対しての思いを断ち切るように、夕夜は泣くのを我慢した。

そうすれば、彼女に対しての思いを忘れることができるような気がしたからだ。
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