TWILIGHT SLIDER
「夕夜の1番は私だって思ってた。

何としてでもいいから、私の方に気持ちを戻したかった…」

「それで男たちを利用して、大村さんを襲った訳か…」

「あの男たちは私の高校時代の同級生で、親しくしていた相手だった」

綾乃は目をそらすようにうつむくと、
「事情を説明したらすぐにわかってくれた。

その間に私は夕夜の気持ちを振り向かせるつもりだった」
と、言った。

沈黙が3人を襲った。

その沈黙を破ったのは、華だった。

「――私は…親に虐待されたことも、モテたことないからわかりませんけど、三宅先輩の気持ちはわかります」

そう言った華に、綾乃は顔をあげた。

「三宅先輩の犯した行動は例え未遂でも許しませんけど、あなたの悲しい気持ちとつらい気持ちはわかります」

「――大村さん…」

綾乃の目から涙がこぼれ落ちた。
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