TWILIGHT SLIDER
バタンとドアが閉まったのと同時に、再び沈黙が流れた。

部屋には、華と2人きりである。

前も2人きりで過ごしたのに、今は緊張が張りつめていた。

「――あの…」

沈黙を破るように声を出したのは、華の方だった。

「あ、何?」

「――三宅先輩が言ったことは、本当ですか?」

「えっ?」

「先輩も、私を好きだって…」

夕夜はうつむくと、
「――初めて見た時から思ってたんだ…」
と、言った。

「大学の裏庭で初めて会った時、一目で好きになった。

美しいけど、どこか弱くて脆いところがあって…そんな華を見て守りたいって思ったんだ」

夕夜は顔をあげて乱暴に後頭部をかくと、
「何を言ってるんだろうな、俺」
と、照れたように笑った。
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