TWILIGHT SLIDER
自分は自分で華を泣かせて、彼女から笑顔を奪った。

華の笑顔が大好きだったのに…傷つけて泣かせたことによって、その笑顔を喪失させてしまった。

自分の前では、華は不安そうな顔を見せるようになった。

いつ殴られるのだろうと、華は怯えていた。

自分のそばにいるのが怖いと、言っているような気がした。

自分がした行いは、最低だ。

愛し方がわからなくて、好きなはずの華に暴力を奮った。

憎いから、暴力を奮っている訳じゃない。

華が好きなだけなのに。

愛したいだけなのに。

なのに…自分がした行いは、華の顔から笑顔を奪っただけだ。

「――華、ごめんな…」

そう呟いた八神の目から涙がこぼれ落ちた。

自分の行いは、華を不幸にさせただけだ。
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