TWILIGHT SLIDER
目の前に夕夜がいることに気づいた華は、
「――ヤだ、こないで!」

バシッと、夕夜の腕を振り払って叫んだ。

「――華…?」

拒絶をされた理由がわからなくて、夕夜は戸惑うことしかできなかった。

華の目から、ボロボロと涙がこぼれ落ちる。

「――私、私…」

涙を隠すように、華が手で顔をおおった。

「――えっと…とりあえず、まずは服を着ようか?」

そう言った夕夜に、華はゆっくりと首を縦に振ってうなずいた。

華が服を着終わると、夕夜はフローリングのうえで正座した。

「話は聞くよ。

けど、華が話したくないなら俺は問いつめない」

そう言った夕夜に、華は首を縦に振ってうなずいた。

「――全部、話すから…」

そう言った華に、
「無理、しなくていいからね?」
と、夕夜は言った。
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