TWILIGHT SLIDER
「大丈夫だよ、夕夜がいるから全部話せるよ」

華は深呼吸をすると、夕夜を見つめた。

「――隆一に、襲われたの…」

小さな声で、華が言った。

「――襲われた?」

その意味は、もちろんわかっている。

「――レイプ、されたの…」

呟くように言った華に、夕夜の心臓がドクン…と奇妙な音を立てた。

「夕夜と一緒にいたいって話したら、隆一が怒って殴ってきて…それで、意識を失って…」

華の目から、またボロボロと涙がこぼれ落ちた。

「――愛して、くれないよね?」

泣きながら、華が言った。

「傷ついちゃったんだもん…。

もう、愛してくれないよね…?

嫌いになっちゃったよね…?」

呟くように、泣きながら華が言った。

「――嫌いになる訳ないだろ」

夕夜が言った。
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