TWILIGHT SLIDER
「――華を嫌いになる訳ないだろ」

夕夜は手を伸ばすと、そっと華を抱きしめた。

「何があったって、華は華だよ。

俺は華の全てをわかったうえで、好きになった。

守りたいって思った」

「――夕夜…」

「華、これだけはわかってくれ。

例え華の身に何があったって、俺は華を愛して華を守る」

その言葉に答えるように、華は夕夜の背中に両手を回した。

「――華、愛してるよ。

お前に何があったって、俺は守って愛し続けるから」

そう言った夕夜に、
「――夕夜、私も好き…」

華が小さな声で言った。


風が吹き荒れるビルの屋上で、八神は革靴を脱ぐと丁寧にそろえた。

そろえた革靴の下に、白い封筒を添える。

「――華、今までごめんな…」

小さな声で呟くと、八神は身を投げた。
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