TWILIGHT SLIDER
遺体の顔を見た瞬間、夕夜は言葉を失った。

担架に乗せられていた遺体は八神だった。

彼は頭から真っ赤な血を流し、まるで眠っているかのように目を閉じていた。

「――ッ…」

八神の顔を見た華がフラリとよろめいたので、夕夜はすぐに彼女を支えた。

「大丈夫か?」

華に呼びかける夕夜だったが、華は手で顔をおおって肩を震わせて泣いていた。

「す、すみません…」

泣いている華を気の毒そうに見ている隊員に夕夜は声をかけた。

隊員は夕夜に会釈をするように頭を下げると、その場から立ち去って行った。

「八神隆一さんのお知りあいの方ですか?」

隊員と入れ違うように2人の前に現れたのは制服姿の警察官だった。
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