TWILIGHT SLIDER
「彼女が、八神さんの知りあいです」

泣いている華の代わりに夕夜は警察官の質問に答えた。

「実は八神さんの遺留品の靴にこれがありまして…」

警察官はそう言うと、夕夜と華の前に白い封筒を差し出した。

封筒の宛名に、『大村 華様』と丁寧な字で書かれていた。

「もしその方とお知りあいでしたら、その封筒を渡してください」

そう言った警察官の手から、夕夜は封筒を受け取った。

「わかりました」

夕夜が返事をして頭を下げると、警官は立ち去った。

「華」

夕夜はまだ泣いている華に呼びかけた。

それに答えるように顔をあげた華の目は泣いたこともあり、真っ赤だった。

「これ」

夕夜は先ほど警察官から受け取った封筒を華に渡した。

「たぶん、八神さんからの手紙だと思う」
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