TWILIGHT SLIDER
僕は、捨てられた子供だ。

小学1年生の頃に両親を交通事故で亡くした僕は、毎日のように親戚を転々としていた。

親戚は仕方なく両親のいない僕を預けてはいらなくなったら他に回すと言う繰り返しだった。

僕は親戚をたらい回しにされた末に養護施設に預けられた。

親戚に捨てられた僕は、つらくて仕方がなかった。

周りはそんな僕を、家族に見放された子供だって言って軽蔑してきた。

そんな僕に同情してくれるヤツはいたけれども、僕は彼らが怖くて仕方がなかった。

――また捨てられたらどうしよう

そんな不安が常に僕を支配していた。

華と出会って、つきあっても、いつもその不安が僕を支配していた。

華の口から僕以外の男の名前が出るたびに、華の気持ちがそちらの方に傾きそうで怖かった。
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