TWILIGHT SLIDER
好きなだけなのに。

愛したいだけなのに。

その気持ちが矛盾して、華を傷つけてばかりだった。

傷ついて欲しくない、笑って欲しい。

だけど…その愛し方がわからなくて、僕は華を傷つけて泣かせてばかりだった。

そんな僕が嫌だったから、華は他の男に気持ちが傾いてしまったのかも知れない。

僕以外の男に笑顔を見せている華の姿を見て、僕は思った。

――僕がいたら華は不幸になるだけ

僕がこの世にいるから、華は不幸になる。

当然、華は幸せになることができない。

笑顔を見ることもできない。

だから、僕は華のためにこの世からいなくなることを選んだ。

僕が華を幸せにすることはできないと思ったから、華の前から姿を消すことを決意した。
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