TWILIGHT SLIDER
「つーか…あいつはあいつで、どんだけ酒飲みなのみたいな話なんだけど」

コンビニの袋いっぱいに入っているお酒を夕夜に見せながら、拓哉が言った。

亮一は大酒飲みなのだ。

年をとったらアルコール中毒で死んでしまうんじゃないかと、夕夜は不安になる。

「まあ、そう言うな」

夕夜は話を終わらせると、空を見あげた。

濃紺色の夜空に、星が1つだけ輝いていた。

(――1番、か…)

夕夜は心の中で呟いた。

自分にとっての1番が綾乃じゃなくて、華だったら…と思う。

自分の美貌を利用して無理やりでもわがままを突き通す綾乃よりも、美しくて脆いけどしっかりと芯の強さを持った華が夕夜にとっての1番だ。

もっと早く会っていたら…いや、せめて自分が華と同い年だったら人生は変わっていたのだろうか?

そう思っていたら、いつの間にか公園に到着していた。
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